【Weekly report】2026年3月第2週
暗号資産ウィークリーレポート
2026年3月第2週 (3/9 – 3/16)
1. 週間マーケットサマリー
2026年3月第2週の暗号資産市場は、中東情勢(イラン)の緊迫化と原油価格(1バレル200ドルへの警戒)の高騰懸念が金融市場全体を揺るがす中、ビットコイン(BTC)は「逃避資産」としての側面を見せ、週初の1,061万円(約7万ドル)から週末には1,155万円まで底堅く推移しました。アルトコインでは、BlackRockがNasdaqにステーキング利回りを提供する初のイーサリアム現物ETF「ETHB」を上場させたことが大きなサプライズとなり、イーサリアム(ETH)は34.5万円台まで力強く反発。マクロ不安から市場心理は「極度の恐怖」に傾いていますが、米国現物ETFには週間で約7.6億ドルの強力な押し目買いが入り、5週続いた流出トレンドに終止符を打つなど、機関投資家の需要が下値を強固に支える一週間となりました。
今週の主要要因
- 地政学リスクと原油高(マクロ不安): イラン情勢の激化により原油価格の急騰懸念が高まり、リスク資産へのプレッシャーとなる一方で、BTCが一部で逃避資金の受け皿に。
- BlackRockの「ETHB」上場: 投資家にステーキング報酬を還元する画期的な現物ETH ETF「iShares Staked Ethereum Trust」がNasdaqに上場。
- 米国ETFへの力強い資金流入: マクロの恐怖心理とは裏腹に、米国スポットBTC ETFに週間で約7.6億ドル(約1,100億円)の純流入があり相場を下支え。
- DeFiでの巨額スリッページ事故: Aave関連の取引で流動性不足のプールに対し5,000万ドルのスワップが実行され、MEVボットに搾取される事故が発生(プロトコルのハッキングではなく仕様によるもの)。
BTC価格推移 (万円)
ETH価格推移 (万円)
市場推進要因インパクト (0-100)
米国現物ETFへの資金流入(85)と、BlackRockのステーキングETH ETF上場(75)が強力な上昇ドライバー(緑)として機能しています。一方で、中東の地政学リスク(90)が投資家心理を最も強く圧迫しており、DeFiでのスリッページ損失事故(30)が一時的な警戒要因(赤)となりました。
2. テクニカル & オンチェーン分析
Fear & Greed Index (恐怖と強欲指数)
現在のスコア: 18 Extreme Fear (極度の恐怖)
中東での地政学的な緊張激化とインフレの不透明感から、市場のセンチメントは「極度の恐怖」水準まで冷え込んでいます。しかし、歴史的にこの水準は機関投資家による絶好の買い場(ボトムフィッシング指標)となることも多い状況です。
オンチェーン動向サマリー
テクニカル面では、BTCの3日足チャートにおいて短期移動平均線(50MA)が長期移動平均線(200MA)を下回る「デッドクロス」が2022年以来初めて点灯し、5ヶ月前の過去最高値(約12.6万ドル水準)からの長期的な調整局面にあることを示唆しています。しかしオンチェーンデータを見ると、取引所からの資金流出(アウトフロー)が継続しており、機関投資家や大口(クジラ)が現在の7万ドル水準を「底値圏」と見なして現物を買い集めている兆候が顕著に表れています。
3. 次週以降のシナリオ分析とリスク
市場センチメント確率
潜在的リスクファクター
🟢 強気シナリオ (30%): ETFを通じた機関投資家の資金流入がマクロ不安を相殺し、原油価格が安定の兆しを見せれば、テクニカルな反発を伴って1,200万円(約7万5千ドル)のレジスタンスを突破する展開。
🟡 中立シナリオ (50%): 地政学リスクが上値を重くする一方で、ETFの強力な押し目買いが下値を支える綱引き状態が継続。BTCは1,050万〜1,160万円のレンジ内で方向感を欠く日柄調整が続く。
🔴 弱気シナリオ (20%): 中東情勢がさらに深刻化し、世界の金融市場全体で流動性危機(パニック売り)が発生した場合、暗号資産も連れ安となり1,000万円(約6万ドル台前半)の節目を大きく割り込むリスク。
4. RENKINからのお知らせ
最新レポート:マクロ経済と暗号資産市場の行方
常に変動するマクロ環境(地政学リスクやインフレ動向)が暗号資産に与える影響について、専門チームが解説する特別ウェビナーを近日開催予定です。公式LINEやメルマガにて詳細をお知らせしますので、ぜひご登録してお待ちください。
【免責事項】本レポートは情報提供のみを目的としており、特定の暗号資産の売買を推奨するものではありません。投資に関する最終決定は、ご自身のご判断で行っていただきますようお願いいたします。